価格競争が激化している現代、「半額」というワードを多用する広告が増えています。お客様を惹きつけるために使用している、この「半額」というワード。裏に潜んでいる危険性に気が付いていますか?
今、まさに行き詰っている「半額戦略」を「無料戦略」に転換することで、風向きが変えられるかもしれません。
■「半額」と「無料」の大きな違い
安くすれば、お客様は来てくれるだろう…そんな安易な考えで、半額にすることは、非常に危険です。当たり前ですが、値下げした分だけ、利益が丸々入ってこなくなります。マイナス分を取り戻そうと、たくさんの商品を売らなければカバーできなくなり、さらに状況が悪化してしまう危険性も。
そこで、最近一部の企業が導入しているのが、「無料戦略」。何もタダで商品を持って行ってください!という訳ではありません。「3個買えば1個無料」というもの。一度は目にしたことありますよね?
半額よりもお得感を演出することができるのに…
お店側の儲けはこちらの方がはるかに多いのです!
映画館や航空会社などのマイレージサービスも、この法則に当てはまります。数回に1回は映画が無料になるため、その浮いたお金で、原価の安いポップコーンなどの商品に手を伸ばしてくれるのです。
お客様には「無料」をアピールしながら、「有料」サービスを利用させるウマ~い仕掛けづくりに成功しています。
■時には赤字サービスも有効に
近年、店舗数を伸ばしているのが、カジュアルな立ち飲みスタイルで、本格イタリアンなどが楽しめるお店です。これらのお店では、明らかに提供価格よりも、原価の方が上回る商品が紛れ込んでいます。
しかし、お店の側からすると「多くのお客様に赤字メニューを食べてもらいたい」というのが本心です。
なぜなのか?
―― 食べたお客さんが広告塔となり、SNSにアップしたり、口コミをしてくれるからです。
広告費に巨額の経費をつぎ込むのではなく、赤字メニューの提供を宣伝として利用したウマ~い手法といえます。お店のスタッフたちも「原価が高いメニューをどんどん召し上がって下さい」と、あえて盛り上げています。
このように強烈なインパクトを与えることで、「半額」や「〇%オフ」という方法を選ぶことなく、お客様が納得する形で、高い商品を購入させることができるのです。これらは極端な例でしたが、発想の転換をしてみることで、当たる販促がひらめく可能性も…♪